Q&A

妊婦にガジュツがNGなのはなぜか?

Question

昔から妊婦にはガジュツがよくないと言われますがなぜでしょうか?

Answer

人体における筋組織の使われている場所のうえから分けると、「骨格筋」「平滑筋」「心筋」の3種類にわけることができます。また、構造のうえから筋組織を見てみると、横紋を持つ「横紋筋」と、それを持っていないものとに分けられます。
そしてまた、機能上からうかがうと、人の自由意志で収縮と緊張を起こすことのできる「随意筋」と人の意志では動かすことのできない「不随意筋」とに分類できます。
一般に「筋肉」と呼んでいるのは、骨格に沿って並んでいる骨格筋のことですが、これは横紋筋からできています。
この種の筋肉は細長い円柱状の筋細胞から成っていますが、機能的には自らの意志でコントロール可能な随意筋でもあります。平滑筋を構成している筋細胞は、横紋筋に比べると細くて短い形状で、横枚がありません。したがって、収縮はゆっくりで、筋肉が伸びても張力は増えず、リズミカルな収縮を行ないます。平滑筋は不随意筋ですから、自律神経に支配されています。
さて、本稿のテーマである腸管・気管・尿管のような管状の臓器は、いずれも平滑筋からできています。
そして、平滑筋はまた、勝胱や子宮などの袋状の臓器の壁も作っているので「内臓筋」とも呼ばれています。子宮には卵巣につながる卵管(輸卵管)があって、これも管状なので平滑筋からできています。
ガジュツには平滑筋を収縮させる力を活発化する働きがあって、胃腸での平滑筋の調子を良好にし、消化を促進させる働きを発揮します。ところが、この作用が子宮の収縮力に及ぶと、もし子供をはらんでいたら、流産する危険性があります。つまり、ガジュツには子宮の収縮力を促進する作用があり、みだりに服用すると流産の危険性があるため、民間伝承として昔から「妊婦にはガジュツを飲ますな」と言い伝えられてきたのです。
ちなみに、心臓壁の心筋層を構成して心臓の主成分となっている心筋は、骨格筋のような強い収縮力を発揮すると同時に、平滑筋の持久力をも兼ね備えた不随意筋でもあり、骨格筋と平滑筋の両方の長所を持っています。

国産のウコンといったら沖縄だけでしょうか?

Question

ウコンはは沖縄の特産品だとよく聞きます。また、ウコンは熱帯性植物でもあり、沖縄で栽培したものでないと薬効がないと言われたことがありますが本当でしょうか?

Answer

ウコンはもともと南アジアのインド周辺が原産地です。夏の気温が高い地方でないと薬効成分の高いウコンを得ることができません。ただし、土壌の良否もからんでくるので、ただ単に夏が暑ければいいという条件だけではウコンの薬効は期待できません。気候だけから判断すると、沖縄から奄美地方にかけて、薩摩半島の鹿児島南部から宮崎の日南海岸まで、四国では高知までが日本でのウコンの栽培適地とされています。
沖縄のウコンが優良品とされる理由は、とくに沖縄北部の土壌がサンゴや貝殻を多く含むために、カルシウムなどのミネラルを多量に含有しているからです。昨今は東南アジア各地からウコンが大量輸入されていますが、輸入品はカレー粉の原料などに利用されています。

ウコンとしょうがの違い

Question

ウコンやガジュツは根茎の形がショウガとよく似ていて、外観では区別がつきませんが、味もショウガと同じなんでしょうか。

Answer

ウコンもガジュツも料理によく使われる「ショウガ」の仲間になります。春ウコンには刺激性の強い辛みと独特の渋みがあって、かむと口の中がピリピリします。
秋ウコンには苦みと渋みが少ししかなく、ショウガの味とは異なります。
ガジュツにも苦みと渋みがあって、かむと舌がピリピリして、ショウガに近い感じの味はガジュツです。ショウガも漢方薬の一つで、これには二通りの使い方があります。やはり根を使いますが、ショウガの根茎そのままを使うものを「生萎」と言います。ショウガの根茎の皮を取り去って、蒸して乾燥させて使うものが「乾萎」です。
違いは、後者がからだを温めるのに対して、前者はからだを冷やします。生姜はおもに解熱や鎮痛に働き、あるいは吐き気を止める場合などけいれんどに用います。乾萎も生妾とほぼ同様の薬効を持ちますが、痙攣を抑えたり、また水分を体外に出す働きがあるので、その偏在・停滞を解消してくれます。