肝臓の働きとは

肝臓病は年をおうごとに増加する傾向にあり、肝炎は21世紀の国民病ともいわれます。肝炎、肝硬変、脂肪肝といった病名をメディアで見たり聞いたりすることも多く、関心をもつ人も増えていることでしょう。
肝臓病は、なかなか症状をあらわさないうちに進行してしまうというやっかいな病気で、肝臓は俗に『沈黙の臓器』といわれています。とても強い臓器で、全体のうちの70パーセントが損なわれたとしても、残りの30パーセントで働くことができるのです。多少痛めつけられても悲鳴をあげずにガマンして、頑張って働いてしまいます。

肝臓は、体内の化学工場といわれるようにさまざまな働きをしている臓器ですが、それには次のようなものがあります。

  • アルコールを代謝する
  • 胆汁を分泌して消化を助ける
  • 炭水化物をグリコーゲンとして貯える
  • タンパク質や脂肪からグリコーゲンをつくる
  • 尿素をつくる
  • アミノ酸をつくり、ビタミンを活性化する
  • 血液中のタンパク質をつくり、血流を調整する
  • 血液の凝固に関するヘパリン、フィブリノーゲンをつくる
  • コレステロールを排出する
  • 鉄や銅などをアルブミンと結びつけ貯蔵する
  • ホルモンの量を調節する
  • 体温を調節する

このように、人の体内で代謝や貯蔵といった、さまざまな働きをしていることが知られています。そして、もうひとつ、肝臓の重要な働きに、解毒作用があります。体内で処理することができない毒性の物質を体外に排出する役割を果たしているのです。

こうして肝臓は私たちの体を危険から守ってくれているのですが、強くなくては務まらないのです。そして、食べ過ぎたりアルコールを飲み過ぎたりすると、体が正常な状態を保っていられるように肝臓は身をけずりながら黙々と働くので、その過労がまとまって、取り返しのつかない病状を引き起こすことになります。

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