2013年 1月 の投稿一覧

二日酔い防止

Qestion

ウコンで2日酔いを防げるか?
年齢のせいか、酒席翌日の二日酔いが抜けきれずに因っています。酒席前にあらかじめウコンを飲んでおけば酒の酔いを早く取り除けるとのことですが、二日酔いが本当に解消できるのでしょうか。また、酒を飲んだあとにウコンを飲んで二日酔いが取れるでしょうか。

Answer

テレビCMの影響からか?ウコンは専ら「二日酔い」を軽減するための商品だと思っている人も多いことでしょう。まず、お酒(アルコール)を飲むと、アルコールを分解する「酵素」の働きで「アセトアルデヒド」に変化し、酢酸を経て、最終的には水と炭酸ガスに変わっていきますが、この一連の操作は肝臓で行なわれています。
なぜ二日酔いが起こるかというと、端的に言うと、アセトアルデヒドが蓄積されるからです。日本人にはアセトアルデヒドを分解する酵素を少ししか出せない人がわりと多く、また分解酵とMそ素をほとんど持たない人もいます。
お酒が全く駄目な人は、正月の日本酒をちょっと口にしただけで酔っぱらって千鳥足になったり、奈良漬を一切れ食べただけで顔を真っ赤にしてふらふらになりますが、これはアセトアルデヒドを分解できずに、体内にアセトアルデヒドのままの状態でとどこおってしまうからです。こんな人は、飲み会でも大抵、烏龍茶オンリーです。

しかし、アセトアルデヒドを分解する酵素が少ない人であっても、ウコンを飲むと酵素が誘導されるため、分解力が高まって、酒に酔いにくくなります。酵素をぜんぜん持たない人がウコンを飲んでもほとんどどうにもなりませんが、ある程度の酵素を持っている人であれば、ウコンを飲むことで肝臓の細胞が活性化され、分解酵素が活発に働いて、肝臓での解毒機能が高まり、アルコールとアセトアルデヒドの分解が活発化し、その代謝物を体外に素早く排出できます。したがって、酒を飲む前であれ、飲んだあとであれ、ウコンを服用しておけば、二日酔いが素早く解消されます。
ちなみに、アルコール飲料として飲まれているものの主成分は「エタノール」です。エタノールは、「エタノール→アセトアルデヒド→酢酸→水」という過程で代謝されますが、アルコールの代謝とはこの作用のことを言います。コンビニやスーパーで売っているウコンの力はそれなりにお酒を飲む人用につくられているのです。

健胃作用について

Answer

ガジュツ同様、ウコンにも健胃作用があると聞きましたが、どのような働きや作用で胃の調子が快調になるのでしょうか?

Question

「健胃作用」に関してだけ言えば、ガジュツのほうが有効であることが確認されていますが、ウコンもまた直接的に健胃作用があります。ウコンを服用すると、胆汁の分泌が促進されて、それと同時に、小腸での消化液の分泌も刺激されて、消化酵素が作用することによって、胃や十二指腸の消化機能を盛んにしますが、この働きがつまりは、「健胃作用」です。
また、胆汁の分泌が促進されると、脂質が分解されやすくなり、便通が良くなるなどといった副次的な効果も期待できます。便秘症の人にはうれしい作用です。
ウコンを実際に服用している人の感想を聞いてみると、胃と上部小腸の働きが良くなるため、食欲が出てきて、食事をとてもおいしく食べられるとのことです。
ウコンはたしかに胃腸の働きを活発にする効力を示してくれます。植物は根から栄養を吸収しますが、動物では胃腸があたかも植物の根のような役割を果たしています

生体の防御システムにまで関与するか?

Question

ウコンは生体の防御システムを助けるか?昨今は、人体の免疫機能が日ごと取り沙汰されていますが、生体での防御システムに「ウコン」はどのように関わっているでしょうか。

Answer

人体を守防御システムは大別して2に分類されます。1つは、一般的な異物や微生物などの侵入物に対して無差別に排除する初期段階に働く「非特異的防御機構」です。もう一つは、1度感染して回復後、同じ病原体には二度と感染しないという「免疫」の機構ですが、これは侵入物を認識して特異的に反応・処理するために「特異的防御機構」と言われています。

免疫の働きに関与しているのは、生体に脈々と流れている血液成分のうち、「白血球」に属する「リンパ球」の仲間たちです。リンパ球にも何種類かあって、「細胞性免疫」に関与する「T細胞」と「体液性免疫」に関係する「B細胞」の二つが主です。
また、「NK細胞」もリンパ球の一種で仲間ですが、これはガン細胞を退治するものと考えられています。
人の生体には常にガン化しそうな細胞が存在していますが、生体中のリンパ球がしっかり働いてくれさえすれば、異質な細胞をかたっばしから食いつぶしてくれるため、結果的にガンにならずにすむ、と考えるガン研究者もいます。要するに、生体の防御機能がしっかり働いていれば、ガンの芽が生じてきても、生体の防御システムが活性化されて、細胞がガンに成長する以前にガン化を抑え込んでしまうのではないか、と専門家たちは考えているのです。
したがって、防御系でのリンパ球の働きが落ちないように生体を維持していけば、病気が起こりにくくなるわけですが、老化現象が起こると、当然のこととはいえ、生体での防御系の働きが鈍化してきます。
老化現象を西洋医学の薬で止めようとしても、残念ながら、生体の防御系を活性化できるなどという不老長寿の薬は、現在のところ見つかっていないし、不可能でしょう。
ビタミンEやCなどには老化防止の働きがあるらしいと報告されていますが、生薬にもそういう作用を示すものがいくつかあると考えられており、なかでもウコンには生体の防御系を活性化させる働きがあると期待されています。もっとも、1つの生薬であらゆる薬効を兼ね備えた万能薬などはあり得ません。
生薬にはまだまだ未解明な部分が多くあって、ある治療目的で用いているとき、予期せず生体の別の部分の防御系を維持する薬効が突如として現われることがあってよく驚かされます。