2013年 2月 の投稿一覧

活性酸素を除去できるか?

Question

ウコンには、活性酸素を除去する作用があると聞きましたが、本当でしょうか?

Answer

生体が活発に動いて活動しているとき、人体では「活性酸素」(フリー・ラジカル) が急増しています。活性酸素とは、物質を酸化させる力が異常に強い酸素分子のことで、人体ではほどほどに必要とされているものの、過剰に生じると悪い方向に向かいます。
年齢が若いうちは、少々の活性酸素が出てきたところで、生体がただちにそれを消去する「抗酸化作用」を発揮してくれますが、年齢が高くなると、活性酸素をうまく処理できなくなります。
成人病や老化の原因につながる物質として活性酸素は敬遠されがちです。
慢性のリューマチや、喘息にかかったときなど、活性酸素が盛んに出てきて、生体を阻害する因子として作配している、という報告もなされています。
胃腸疾患の例では、活性酸素が出て胃腸の粘膜を損傷しているという説もあり、「胃炎」で苦しんだり、また「胃潰瘍」ができるのは、活性酸素が多量に出ているからではないかと疑われています。活性酸素が万病のもとになっている…と警告する専門家も増えています。
活性酸素はまた、細胞中の遺伝子(DNA)を傷つけることとが確認されています。

遺伝子が傷つくと、細胞を複製する段階でエラーが生じて、正常な細胞が作れなくなりますが、それがガンの発生につながる原因の一つと考えられており、活性酸素を消去すればガンの予防につながると考えれています。
活性酸素はまた、代謝作用に欠かすことのできない酵素を破壊して、その機能を失わせてしまう厄介物と見なす学説もあります。
酵素は、人体にとって欠かすことのできないもので血管内で生じる活性酸素を取り除くことさえできれば、動脈硬化の予防につながり、老化を防止できると言われます。

なお、活性酸素を除去する栄養素としては、「ビタミンE」や「ビタミンC」が有力視されていますが、ある種の生薬にも活性酸素を除去する成分が含まれていると言われ、ウコンではおもに精油成分が抗酸化作用に働きを示すと考えられています。
ビタミンEは、生体に有害な過酸化脂質の生成を防ぐと同時に、細胞膜の大切な構成成分になっているリン脂質から作り出される「プロスタグランジン」という物質を生成する手助けもしています。プロスタグランジンは、血管拡張作用を持ち、かつ「高血圧症」の予防に役立ち、動脈硬化を防ぐ効果があります。
また、ビタミンEの吸収を高めるのに、ビタミンCが関与していることがわかっており、ビタミンE とCは、常に連携しながら、動脈硬化や高血圧を防いで、人体の若々しさを保つことに働いています。

ウコンの活性酸素除去に関する作用としては、ビタミンE」や「ビタミンC」のように直接的に作用していなくても二次的に効果があるのではないかと考えれています。

ガン予防効果

Question

ウコンのガン予防効果をあちこちで目にしたり、耳にしたりしますが、実際ガンへの効果、作用はどうなのでしょうか?

Answer

ガンについては、さまざまな医学的見解、民間療法的見解がありますが、基本的にガンが誘発される原因として、一説に「発ガン二段階説」という説があります。
ガンのできる過程では、第一段階でガン化のきっかけになる「発ガン・イニシエーター」(発ガン開始要素) があり、第二段階ではガン化を促す「発ガン・プロモーター」(発ガン促進要素) が作用すると考えられています。
発ガン・イニシエーターとは、細胞がガン化に向かうような遺伝子の変成を起こさせるものです。そして、発ガン・プロモーターとは、発ガンの開始を受けた細胞をガンにまで発展させていくものです。

タバコは発ガン・プロモーターとなる物質を多く含みますが、先天的に肺ガンになりやすい体質であっても、タバコを吸わなけ
れば、発ガン・プロモーターの後押しがないためにガンにはなりにくいのです。

また、先天的にガン化の変性を受けていない細胞に対しては、多量の発ガン・プロモーターが加わったとしても、なかなかガンにはなりません。お尻からも煙が出るんではないかというほどたくさんのタバコを吸うヘビースモーカーであっても、肺ガンにならない体質の人はいくらでもいます。

全ての人がガンになんかなりたくありませんが、先天的にガン化のイニシエートを受けた細胞を生まれ持っている人は、遺伝子治療をするなどして、変性された細胞を処置すべしないかぎり、発ガン・イニシエーターを防止する術はありません。しかし、実際問題として、遺伝子治療には難しい問題がたくさん残されていて、現段階では医学界といえども安易に手をつけることができません。
したがって、ガンを予防したいのであれば、現時点では研究が発ガン・プロモーター抑制に頼ってガン化を食い止める方向に進まざるを得ないのです。

生薬の中には発ガン・プロモーター抑制を持っている植物がいくつか認められています。そのうち、最も有効な薬理作用を有していると見られている生薬がアシタバですが、またイヌトウキにも強い発ガン・プロモーター抑制が含まれていることがわかっています。
アシタバのガン抑制効果はこちらに詳しい作用が紹介されています。
そしてまた、ウコンにも発ガン・プロモーター抑制があることが証明されています。したがって、発ガン・プロモーター抑制効果を発揮すると考えられているウコンを常用すれば、ガンになりにくい体質になることは間違いありません。
しかし、ガンにかかった後からいくらウコンを飲んでも延命効果しかなく、ガンが治ることもありえません。
ウコンはガンの治療だけに使うものではなく、むしろ発ガン・プロモーター抑制として予防に用いられる生薬です。
ガンを抑制するためにウコンを使うのがもっとも効果的です。

老化防止

Question

ウコンに老化を遅らせる作用があると聞きましたが本当でしょうか?

Answer

「老化」現象は、誰にも平等にやってきます、当然、人にとって老化の到来は究極的には避けられない世界で、やむをえない人生の到達点です。
老化の過程でいちばん問題になるのは「動脈硬化」です。端的に言えば、動脈硬化とは「血液の浄化が潤滑に働かなくなった状態」です。血液の浄化がうまくいきさえすれば、血液中の脂質やコレステロールの数値を低下させることはもちろん、血小板の凝縮を抑制したり、カルシウム括抗作用によって血液の流れを良好にしてくれます。
その逆に、動脈硬化のために血液の流れが悪くなると、いろんな臓器の障害を誘発します。ある特定の臓器に障害が起こつてくるのは、動脈での血の流れが悪くなるからで、その典型的な症状が脳内で動脈硬化を起こして血流が途絶える「脳梗塞」です。脳梗塞は脳の細胞を壊死させて、しだいに「ボケ」につながり、やがて運動障害を招きます。

「動脈硬化症」と血圧の間には、一定の相関関係があって、高血圧の状態が続くと、動脈硬化が進行します。したがって、血圧を調整できれば、動脈硬化の進行も同時に防ぐことが可能です。

もし若々しさを保って生きたいのであれば、動脈硬化をなるべく少なく、かつ遅らせることが肝要です。
「人は動脈硬化とともに老いる」という言葉がありますが、動脈硬化が進行していくと、あらゆる臓器で血液障害が生じて、細胞がしだいに活性化を失い、老化への道をひたすら突き進むことになります。
いつまでも元気で長生きしたいと願えば、あらゆる方法を駆使して、動脈硬化を遅らせることに全力を傾注しなければならないでしょう。動脈硬化が進むことなく、全身の血流をきちんと保っていけば、生体上のアンバランスが生じることもなく、年老いても肉体の若々しさを発揮でき、実際の年齢より若さ溢れる体力を築くことができます。
一般的なわかりやすい言い方をすれば、血液が動脈の中をさらさらと流れていれば若さを保てるわけで、どろどろの血液では動脈硬化につながります。血流をいかにして正常に維持できるかどうかが、すべての臓器を健全に働かせるための基本的条件になります。中国医学では、ウコンは「狭心症」や「脳血栓」などといった心臓および血管系、いわゆる循環器系の疾病に効果があるとされてきました。
ウコンは、若々しさや老化を遅らせるための作用があるというわけです。