生体の防御システムにまで関与するか?

Question

ウコンは生体の防御システムを助けるか?昨今は、人体の免疫機能が日ごと取り沙汰されていますが、生体での防御システムに「ウコン」はどのように関わっているでしょうか。

Answer

人体を守防御システムは大別して2に分類されます。1つは、一般的な異物や微生物などの侵入物に対して無差別に排除する初期段階に働く「非特異的防御機構」です。もう一つは、1度感染して回復後、同じ病原体には二度と感染しないという「免疫」の機構ですが、これは侵入物を認識して特異的に反応・処理するために「特異的防御機構」と言われています。

免疫の働きに関与しているのは、生体に脈々と流れている血液成分のうち、「白血球」に属する「リンパ球」の仲間たちです。リンパ球にも何種類かあって、「細胞性免疫」に関与する「T細胞」と「体液性免疫」に関係する「B細胞」の二つが主です。
また、「NK細胞」もリンパ球の一種で仲間ですが、これはガン細胞を退治するものと考えられています。
人の生体には常にガン化しそうな細胞が存在していますが、生体中のリンパ球がしっかり働いてくれさえすれば、異質な細胞をかたっばしから食いつぶしてくれるため、結果的にガンにならずにすむ、と考えるガン研究者もいます。要するに、生体の防御機能がしっかり働いていれば、ガンの芽が生じてきても、生体の防御システムが活性化されて、細胞がガンに成長する以前にガン化を抑え込んでしまうのではないか、と専門家たちは考えているのです。
したがって、防御系でのリンパ球の働きが落ちないように生体を維持していけば、病気が起こりにくくなるわけですが、老化現象が起こると、当然のこととはいえ、生体での防御系の働きが鈍化してきます。
老化現象を西洋医学の薬で止めようとしても、残念ながら、生体の防御系を活性化できるなどという不老長寿の薬は、現在のところ見つかっていないし、不可能でしょう。
ビタミンEやCなどには老化防止の働きがあるらしいと報告されていますが、生薬にもそういう作用を示すものがいくつかあると考えられており、なかでもウコンには生体の防御系を活性化させる働きがあると期待されています。もっとも、1つの生薬であらゆる薬効を兼ね備えた万能薬などはあり得ません。
生薬にはまだまだ未解明な部分が多くあって、ある治療目的で用いているとき、予期せず生体の別の部分の防御系を維持する薬効が突如として現われることがあってよく驚かされます。

花粉症も改善できる?

Question

スギの花粉が舞う季節を迎えると、毎年のように鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった花粉症に悩まされます。ウコンを服用したら、症状が軽くなるという話をよく聞きますが、花粉症にも有効でしょうか。

Answer

人の体は外界から侵入してくる異物から身を守るため、「自己」と「非自己」とを分ける機能が働きます。これは、自己でないと認識されるものを「抗原」と言い、これらの病原菌や異物が人のからだを侵そうとすると、生体はただちに彼らを殺傷するために「抗体」という蛋白質を作り出します。
抗原の種類は非常に多く、それに対応して生体内では多数の「抗体蛋白質」が作られています。そこで、ある種の抗原性物質をあらかじめ適当な方法で投与しておくと、生体はその抗原物質に対抗するために大量の抗体を作り出す仕組みを整え、抗原が再び侵入してきた場合、その物質の毒性を中和させます。
予防注射はこの「免疫」の原理を利用して作られたものです。ところが、抗原性の物質が投与されたあとであっても、しばらくして同じ抗原が再び侵入してきたとき、免疫反応をそっちのけにして、発疹、発熱、肝傷害などを起こして、重い場合にはショック死にいたるなど、さまざまな病的反応を起こすことがあります。
つまり、こうした過剰反応のことを「アレルギー」と称しています。アレルギーとはすなわち、人体に侵入してきた自分以外の異物を取り除こうとするからだの過剰な防御反応の一種ですが、抗体と抗原が結合して「抗原抗体反応」を起こした状態です。
アレルギー疾患にはいろいろな症状があります。たとえば、何かを食べて「ジンマシン」が出るのも、ぜんそく出るのもアレルギーですし、、「アトピー性皮膚炎」もアレルギーの一種です。「気管支喘息」も以前から一種のアレルギーと見なされています。また、薬による中毒病状を「薬物アレルギー」と言います。

「花粉症」とは、おもにスギの花粉に含まれている物質によるアレルギーで、鼻粘膜にその花粉がくつついてアレルギー反応を起こした症状のことです。

花粉症患者数は増加の一途をたどり、スギ花粉症だけで1500万人以上、日本の花粉症総人口は2000万人以上、5人に1人は花粉症ともいわれ、今後も増加することが予想されています。

では、ウコンがなぜ花粉症に有効かと言うと、アスピリンほど強力ではないにしても、「消炎鎮痛剤」と同じ作用を持っているからです。消炎鎮痛作用とは、いろいろな炎症を止める働きのことですが、そうした働きを持つ生薬を調べていくと、いずれもアレルギー反応による炎症を止める作用を併せ持っていることがわかっており、もちろんウコンにも同じような働きが認められています。
還暦が近くなった年齢の人によくある例ですが、私にも「蓄膿症」という軽い慢性の「副鼻くうえん腔炎」があって、冬に風邪を引いたりすると、鼻の調子がすこぶる悪くなります。ところが、健康食品としてウコンの錠剤を飲みつづけていたら、副鼻腔炎を治療しょうと思って飲んでいたわけでもないのに、なぜ治ったのかわからないけれど、いつのまにか持病の鼻炎が軽くなっていました。
生薬ではこのような予想外の薬効が実際に起こります。ウコンによる消炎作用はともかく、それと同時に、病原性細菌に対しての制菌力と併せて、アレルギー反応を抑える働きを示すので、「アレルギー性鼻炎」が軽くなることがあります。
まさに花粉症対策にウコンを試してみる価値はありそうです。

やわたの琉球ウコン(無農薬)

頑固な水虫を治したい

Questions

頑固な水虫がうっとうしくてかないません。ウコンを使って水虫を治せると聞きましたが、どのように使えばいいのでしょうか。

Answer

ウコンのパウダーを水に溶いて、それに足を浸けて「水虫」を治したという症例はいくつも報告されています。水虫の原因は、「カビ」すなわち「真菌」(糸状菌) のうち「自癖菌」の感染によるものですが、これは真菌類では最も皮膚に着きやすいものです。
水虫は、頭の「シラクモ」、生毛部の「タムシ」、ある種の頭の「フケ」などと同種の菌が感染した症状です。水虫という症状は、汗病状の白痴として出てくるものですが、ウコンはこの自癖菌の成育を抑制する作用を持っています。
したがって、水虫の患部に直接パウダーをくつつけるだけでも効果があります。ただし、最近は水虫を治す塗布薬が市販されていますし、わざわざ水に足を漬けて治療するのも面倒なので、水虫の特効薬としてウコンを使うことは少なくなっています。