Question
ウコンの成分表には「セルロース」という成分が示されていますが、これが人体での消化・吸収の際にどのような作用をするのでしょうか?
Answer
「セルロース」とは植物に多量に存在している糖質の一種で、いわゆる植物細胞の表面を構成している繊維質のことで、「食物繊維」と
よく似ています。
牛は草を食べて繊維成分を自分の栄養にできる分解酵素を持っていますが、牛と違って、人にはセルロースを消化する酵素がないため、繊維類を食べても分解できずに、そのまま胃腸を素通りしてしまいます。食物繊維の摂取により、便のかさが増すというのは、こういった理由からです。
したがって、セルロースは人体のエネルギー源として役立たない成分と考えられていました。ところが、セルロースが大腸の運動を促進する役割を果たしていることがわかり、さらに繊維質がいろんな物質を吸着して体外に運び出して胃腸の掃除を行なってくれることが明らかになったため、たとえ栄養分として吸収されなくても、人体には不可欠な要素であるとして高く評価されるようになっています。
また、大腸においては、腸内細菌の働きによってセルロースの一部が分解され、これが低分子の有機酸ヒ炭酸ガスとに変化して、腸内の有害な細菌の繁殖を防ぐ働きを示していることがわかって、食物繊維はその点でも再評価されるようになりました。
要するに、食物繊維が腸内に多量に入ってくると、かさが増えて、有害な物質の発生を抑えたり、それらを吸着して排出してくれるため、成人病の発生を防ぐことにもつながります。便秘解消は、ガンをも抑制するとても大事な生活習慣であることがわかります。
最近の日本人は、大腸ガンが急増していますが、このうち便秘が原因になっている患者が多数を占めるという専門家もいます。