すおろしウコンの薬効と吸収をさらにアップさせる

Question

おろしウコンの薬効は?
ウコンをおろし金ですりおろして飲むと吸収力がいいと聞きました。この場合、おろしウコンだけを飲めばいいのか、汁ごと全部を飲むのか、それともガーゼ状の布で絞ってこした分の汁だけを飲めばいいのでしょうか?

Answer

沖縄では一般に、おろしウコンを汁ごとお湯に溶かして、かき混ぜて、飲んでいます。沖縄でウコンを煎じて飲む方法が主流を占めなかった理由は、すりおろして湯に溶いて飲む方式のほうがウコンから有効成分を多く取り出せることを経験的に知っていたからだと思います。
インドやバングラデシュなどの南アジアの地方では、石製のおろしを用いて、ウコンをすりおろして、食べ物に混ぜて使っていますが、ほとんどの家庭がこの調理用具を備えているそうです。
要するに、ウコンはおろしショウガみたいにすりおろして、そのまま丸ごと飲むのが最も効7率のいい使い方です。煎じたときに出てくる主要成分は水に溶ける水溶性の部分だけですが、すりおろして使えば精油成分がたっぷり取り出せるからで、煎じて飲むよりも、すりおろして飲むほうが成分がよく効いてきます。
なお、布でこすと、全部の成分が取り出せず、薬効のある精油成分がほとんど取り出せません。
おろしウコンは決してかすではなく、大切な成分が多く含まれています。成分を十分に取り出したいのであれば、むしろ粉末剤(パウダー) にするとか、錠剤( タブレット) にしたほうが精油成分を安定的に利用できるため、最近はしだいにパウダーとかタブレットに作って利用することが多くなつています。ただし、パウダーやタブレットは成分や品質がわかりづらいので、信用のあるメーカーから購入することが商品選びのポイントになります。

ウコンには本当に副作用がないの?

Question

最近は、漢方薬などのが体に優しいということから注目を集めていますが、生薬であっても、長期に飲んだり、多量に飲むと、副作用が出ると言う人もいます。ウコンは大丈夫でしょうか?

Answer

ウコンはたしかに害の少ない上薬に類する生薬で、健康な人にとっては健康食品そのものです。本サイトでも「ウコンには副作用がない」でも紹介しているとおり、副作用の心配はありません。
しかし、病人が飲むと危ない場合があります。たとえば、慢性の「腎炎」を患っている人では腎臓からカリウムが排出されないので危険まもあります、
ガジュツには子宮を収縮させる作用があるので妊娠中の女性には飲ませるな、などと昔から言われてきました。漢方薬には副作用がないと誤解されている向きもありますが、薬であるかぎり、その程度は大なり小なり必ず副作用を伴うと考えたほうがいいでしょう。
一般的に健康な人で、常識的な量を飲んでも害がないのは言うまでもありませんが、病人、妊婦さんなどは主治医と相談してから飲むべきです。副作用がないというと、大量に摂取すれば効果が大きくあらわれる…と勘違いする人がいますが、これは大きな間違いです。仮に副作用はでなくても体調を崩す場合もあり得ます。
漢方薬や安全なイメージが定着していますが、中国の古文献には薬の副作用で死を招いた記録が頻繁に出てきます。生薬といえども薬の一種ですから、誰かれなく無差別に飲ませていいものではありません。漢方薬を扱う医師であれば、ウコンの薬効をよく知っているので、病気回復のためにウコンを飲むつもりなら、ひとまず漢方薬を取り扱う医師の診察を受けたあと、適切な処方を聞いて服用すれば万全です。

病院で処方されている薬と併用しても大丈夫か?

Question

ウコンを現在、服用している病院から処方された薬と併用しても問題ないでしょうか?また、抗生剤との併用はいかがでしょうか?

Answer

ガジュツとウコンを併用する方法はよく行なわれています。また、ウコンと「イヌトウキ」、あるいはウコンと「朝鮮人参」の併用も悪くなく、その他の生薬との併用もかまいませんが、どのような薬効が出てくるかが問題ですから、必ず医師の指示に従って使用するのが原則です。

生薬をいくつか組み合わせると漢方薬になるわけですから、症状に見合ってウコンを他の生薬と併用すればいいでしょう。薬漬けの医療を解消するには、薬の使用量を最小限にとどめながら、最大限の薬効を発揮させる必要がありますが、ウコンは現代医療にたいへん大きな役割を果たしてくれそうです。
なお、併用でなくても、「抗生剤」はみだりに用いていい薬剤ではありません。抗生物質の乱用によって、今日まで多数の「抗生耐性菌」を生み出してきましたが、これがいまや医療現場では院内感染という大問題を引き起こしています。
西洋医学は細菌を退治するための薬剤として「ペニシリン」という抗生物質を作り出して難病を克服してきた反面、その乱用よって新たにペニシリンに括抗する耐性菌を作り出してしまいました。
その結果、さらにペニシリンから発展したセファロスポリン系の抗生物質が作られ、この薬がいまや世界中で大量に使用されていますが、昨今は抗生物質の効かない耐性菌が次から次へと出てきて、ペニシリン耐性菌の場合と同じく、ついにセファロスポリン系の抗生剤に対しても耐性を発揮する「メリシン耐性黄色ブドウ球菌MRSA」 などが生じています。

なお、抗生物質という言葉は、もともと共存している微生物の一方が他の微生物の発育・増殖を抑制する「相手の生に抗う」という意味に由来しています。自然界では、ある微生物が別の微生物の発育を抑制する物質を分泌する現象があって、これらを抗生物質と呼んでいたわけですが、最近では高等動物の悪性腫瘍の増進を抑制する物質にいたるまで抗生物質の範囲に含めています。