ウコンと言うと、春タコンと秋ウコンをあえて区別せずにウコンと理解している人は多いのですが、ウコンをさらに正しく理解しるには避けられません。
本サイトでは、春ウコンと秋ウコンの違いについては詳しく説明しているつもりですが、特性を理解して使うとされにウコンの効能、効果を引き出すことが可能となります。
まず、ウコンには春に花の咲くもの、すなわち春ウコンと秋に花が咲く秋ウコンとがあることは、すでにふれたとおりです。
春ウコンは昔から姜黄(キョウオウきょうおう)と呼ばれ、どちらかといいますと薬草として愛用されていました。これに対して秋ウコンは食品の色素や染料として利用されてきました。
どちらも実際に薬草や染料として用いられる根茎は、多肉質で分岐しており、その形はまさしくショウガに似ています。
また、味の面では、春ウコンには刺激性のある辛みと苦みがありますが、秋ウコンの場合は特有の香りはあるものの、苦みはありません
秋ウコン
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春ウコン
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食品の色素、染料
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姜黄(きょうおう)
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葉の裏 ツルツル
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葉の裏 ザラザラ
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苦みなし
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辛み、苦み
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太い茎に白い花
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根から軸を出しピンク色の花
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外見はウコンとたいへん似ているため、一般にはなかなか見分けがつきません。そのために最近までは、秋ウコンを春ウコンと間違えて販売していたり、ガジュツをウコンと混同していたなどということもあります。
これらの違いについては、簡単な知識をもっておくだけでも十分見分けることができます。まず根茎の形を見ますとどれもショウガに似ていますが、それらを輪切りにしますと、それぞれ切り口の色が異なっています。
春ウコンの切り口は鮮やかな黄色で、秋ウコンの切り口は橙色をしています。また、ガジュツの切り口はきれいな紫色になっています。
それから、ウコンやガジュツには一見すると花と見聞違えるような美しい包葉があります。本当の花は、菓の下に重なり合って咲いている黄色い部分なのですが、この包菓の先が丸く、菓の中央が黒ずんでいるほうがガジュツです。このガジュツの場合はクルクミンの含有率が、かなり少なくなります。
薬草としては春ウコンや秋ウコン、そしてガジュツにもそれぞれ特徴のある薬効が認められていますが、特に春ウコンと秋ウコンを比較した場合には、やはり春ウコンのほうがすぐれているようです。
ですからウコンの薬効を説明している所は、主に春ウコンのことを指していると考えていただければよいでしょう。
ちなみに、春ウコンにガジュツを加えると、さらに薬効が顕著になるという研究報告もあります。
品質が高いのは沖縄検査産
これらのウコンやガジュツの生育には、排水がよく、有機質に富んだ肥沃な土壌が必要です。しかも、南国特有の強い太陽光が不可欠ですから、日本ではやはり沖縄がウコンやガジュツの生育にもっとも適した環境だといえそうです。
しかも、薬効という点で考えるならば、沖縄北部地域で栽培されたものの成分がもっともすぐれています。これに関連して、沖縄以外ではまだほとんどウコンの存在が知られていなかった時期にウコンとの劇的な出合いを体験し、その後、ウコンの普及に熱心に取り組まれた方からこんな話をうかがったことがあります。
その方のお姉さんと弟さんが同時に大腸ガンと肝硬変にかかってしまいました。そこでどこかによい生薬はないものかと探し回り、たまたま沖縄の常設市場の片隅で売られていたウコンかと探し回り、たまたま沖縄の常設市場の片隅で売られていたウコンの根茎にめぐり合ったそうです。
とはいっても、ウコンのことはその瞬間までまったく知らなかったそうですから、路上にお店を開いている女性がいくら熱心に説明してくれても半信半疑だったといいます。すると、その女性はポケットからゴム輪でくくった分厚いハガキの束を取り出しました。それを手にとつて1枚1枚読んでみると、そこにはウコンの注文と同時に、さまざまな体験談が簡潔に書き込まれていました。
これはもしかしたらお姉さんや弟さんの病気の回復に役立つ可能性があるかもしれないと思い、その場でウコンを買って自宅に持ち帰ったそうです。さっそくお姉さんや弟さんに紹介して試してみました。
お二人は勧められるままにウコンの根茎をすり下ろしては半年くらい飲み続けたそうですが、びっくりするほど体の調子がよくなり、あと半年の命と医者から宣告されていたお姉さんは、信じられないくらい元気になってしまいました。弟さんのほうの肝硬変の状態もすっかり軽くなったといいます。
こうした様子を見て、この方は、ウコンの薬効はやはり本物だと実感するようになりました。それからは、さらに沖縄から根茎を取り寄せて機会ある度に他の人にも紹介してあげたそうです。
ところが、そうしているうちにウコンを飲んでもあまり薬効が出てこないという話を耳にすることが何度かありました。様子をよく開いてみると、どうも沖縄産のウコンの根茎を入手した後、自分で直接栽培して収穫したウコンを利用している人にそうした反応が多いことに気づいたといいます。
そこで、もともと熱帯地方が原産地で、高温多湿を好むといわれるウコンを日本で栽培する場合、やはり日本列島のいちばん南に位置する沖縄がもっとも適しているに違いないと考えるようになったというのです。それ以来、この方は沖縄産のウコンの普及に努力しておられます。ウコンを栽培するだけなら日本本土でもある程度は可能ですが、その含有成分まで考えるとどうしても沖縄産のものがすぐれているようです。しかも同じ沖縄でも北部地域で栽培されたものが特に成分的にすぐれていると思われます。
パウダータイプのほうが薬効も期待できる
ウコンの根茎の部分にはさまざまな成分が含まれていますが、特に薬理作用があるのは黄色の色素成分であるクルクミン、精油成分であるフラボノイド、カンファー、アズノン、シオネールなどです。
- クルクミン
- 肝臓の働きを強化 し、胆汁の分泌を促進して、利尿作用がある
- フラボノイド
- 抗出血性ビタミンPの作用がある神経の興奮作用、強心作用をもつ精油成分
- アズノン
- 炎症や潰瘍を治し、胃液のペプシンを抑える作用がある
- シオネール
- 健胃作用、殺菌作用、防腐作用にすぐれた効果を表す成分
ところで、実際にウコンが利用されている形態としては、根茎を加工したパウダースタイルのものや、そのパウダーをサプリにしたものが一般的です。
特にウコンの薬効を医学の立場から考えると、実際に利用するウコンの成分ができるだけ一定であることが必要になります。そのためには、常に同じような栽培条件で栽培されたものであることが望ましいのです。
それから、収穫された根茎そのものは、ひとつひとつの成分が微妙に異なっています。ですから、根茎そのものよりは、根茎をパウダーに加工することによって、たくさんの根茎のパウダーが混じり合い平均化されたもののほうが、成分が安定しています。それによって一定の薬効が期待できるわけです。
加工に関してはもう1つ注意しておきたいことがあります。すでに何度もふれてきたように、ウコンの薬効の秘密はクルクミンと精油成分にあります。特に精油成分については、油性の成分ですので加工過程で脂肪分が落ちてしまいますと、その分だけ、精油成分の含有率が少なくなってしまうという問題があります。
最近は、加工技術がかなり進歩し、精油成分を落とさないようにして加工することも可なっていますから、この点をよく確認して利用するほうがよいと思います。