2009年時点で日本のガン死亡者数は、どのくらいだと思われるでしょうか?
2009年にがんで死亡した人は344,105例(男性206,352例、女性137,753例)です。調査によると、男女とも、おおよそ60歳代から増加し、高齢になるほど高くなっています。
およそ2~3人に1人がガンで亡くなっている計算になります。ちなみに、21世紀には全死亡者数の二人に一人が、ガンが原因で死亡するという絶望的な予測も伝えられています。がんで死亡することが当たり前になってしまうのです。
ところで、近年になって急激に増えているガンに大腸ガンと女性の乳ガンがあります。
最近の日本人の腸の傾向とさまざまな症状によれば、
- 1955年…男性2079人/女性2160人
- 2006年…男性22380人/女性18653人
という調査報告がでているそうです。異常な数値であることに変わりありませんが、このまま進むと、21世紀には肺ガンと大腸ガンが男性ガンのトップを争うだろうといわれています。
その理由としては、いろいろな健康雑誌などに繰り返しいわれているように、動物性脂肪を多く含む食品のとり過ぎや、繊維質の不足といった食生活の欧米化が指摘されています。
脂肪分のとり過ぎが、どうしてガンにつながるのでしょうか。まず、コレステロールや中性脂肪を増やし、高血圧を助長して動脈硬化の原因となり、脳溢血、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞の発生率を高めます。そして、ガンを発症させる理由は、解毒作用をアップして肝臓を強化で説明したとおり、大腸で消化されるのは、小腸で吸収されなかった食物繊維がほとんどですが、それを消化するのが腸内細菌の大切な役目です。腸内細菌の数は、およそ100兆個。重量に換算すると1kg~1.4kgもあります。その腸内細菌が、胆汁の主成分である胆汁酸に反応して、胆汁酸を「メチルコラントレン」という発ガン物質に変えてしまうのです。
高脂肪食ですと、それを消化するために胆汁が多量に分泌されますが、これが大腸の内壁にすみついている腸内細菌に悪影響を与えてしまいます。
大腸ガンは胃ガンよりも進行がゆるやかで治療もしやすいといわれています。ですが、患者の半数近くが再発してしまうケースが多く、やっかいな病気です。
大腸ガンが発生する理由としては、遺伝によるもののほかに、高脂肪と繊維の足りない食生活が指摘されています。自覚症状は人によって異なりますが、肛門からの出血、粘液状の黒い便、鉛筆のような細い便などが大腸ガンの代表的な症状です。
大腸の中でもとくに直腸部分に一番多く発生しますが、その理由としては、直腸部分の汚染物質の滞留時間が長く、汚染濃度が高くなるためだと考えられています。
食物が口に入ってから肛門にまで到着する時間には個人差があります。戦前の日本人は約30時間、現代人は半日から数日、それに比べ、欧米人は三日以上という統計があります。滞留時間が長ければ、汚染濃度が高くなるのはいうまでもありません。また、排泄の量ですが、ある調査ではイギリスの若者では120g、ウガンダの農民は、460gと言うデータが報告されています。
この差は、肉食と食物繊維の多い食事習慣の違いによるものです。
便は、体の中にためておいても何の得にもなりません。高脂肪、食物繊維不足の食事は、便秘にもつながり、その結果、大腸ガンの原因という図式になっってしまいます。年齢を重ねるごとに食物繊維をたくさん摂るように意識することが大切です。