春ウコンと秋ウコンの違い

日本でウコンといえば沖縄産のものがメジャーですが、インドや台湾など海外から輸入されてくるウコンもありますので、品質の良いものを見極めたいですね。なんと、ウコンには類似種が1,000種あるともいわれているのですが、一般に普及している、日本名で『キョウオウ』と呼ばれる春ウコンと、『ウコン』と呼ばれる秋ウコンの2品種の違いについては、次のようになっています。

外見の特徴の違い

違いを見分ける上で、外見は大切です。花と葉と根茎の3つの部分を見ます。

まずは花についてです。ウコンの花の色、それは黄色です。一見、一番上についているピンクや白が花だと思われがちですが、これは花ではなく、実は葉が変形したものなのです。
ウコンは一般の草花とは違い、花軸のまわりに薄い緑色の葉が重なり合ってついていて、上から見ると鱗(うろこ)のようにも見えます。この葉は40枚くらいあって、葉のひとつひとつの中に黄色い花が包まれるようについています。
花のように見える頂上の葉がピンクっぽい色をしているのが春ウコン、白色なのが秋ウコンです。花軸については、根茎から直接、独立して出ているのが春ウコンで、一番太い茎の中央から出ているのが秋ウコンです。
そして、開花時期にも違いがあります。春ウコンはだいたい4月から5月にかけて花が咲き、秋ウコンは夏から秋の初め頃に咲きます。

葉の違いは、葉の裏側に毛が生えているか、いないかでわかります。毛が生えているのは春ウコン(キョウオウ)で、葉の裏がザラザラした感じです。逆に毛が生えていないのが秋ウコン(ウコン)で、葉の裏はツルツルしています。

次は生の根茎の違いです。外皮については、春ウコンは新鮮なうちは白っぽいまたは黄色っぽいのですが、時間が経つにつれ薄い褐色になります。秋ウコンはもともと薄い褐色をしていて、時間が経つと色が濃くなります。まれに赤みがかったものもあります。
中の色については、春ウコンは真っ黄色で、秋ウコンは橙色です。しかし、どちらにも色の濃淡はあります。また、秋ウコンの橙色は黄色ととらえられることがあるので、気をつけたいところです。

そして、最大の特徴は味の違いです。春ウコンは、強弱はありますが必ず苦味があります。いっぽう秋ウコンには、苦味はありません。

ウコンの飲み方と利用法

ウコンを薬用としてみた場合の、利用の仕方について。生のウコンの根茎、お茶の飲み方や、葉の利用方法を紹介します。

生の根茎の飲み方

生のウコンを利用するのが最も効果的です。生のウコンの根茎をどういうふうに使うのかというと、一般的には、おろしがねで擦りおろしたものを飲みます。この時、擦ったウコンをガーゼなどに包んで汁だけを飲むのではなく、全て飲むようにします。なぜなら、汁だけだとせっかくの成分の大半が失われてしまうからです。

飲み方は、お湯の中に擦りおろしたウコンを入れ、よくかき混ぜてそのまま飲めばよいです。これを食後に飲みます。
量はどれくらいかというと、一日に10グラムの生の根茎を摂取します。太さは親指ぐらい、長さは5センチぐらいの根茎で、だいたい10グラムですが、これを三等分にして、毎食後擦りおろして飲みます。会社勤めなどで昼食後に飲めない人は、二等分にして朝・夕食後の二回でも大丈夫です。

一般的にウコンをお茶として飲む場合、青い葉ではなく、根茎を使います。ショウガのような根茎そのものを薄くスライスしてよく乾燥させ、煎じたり粉末にしたりして飲みます。また、現在では手軽なウコンの粉末が市販されています。

葉の利用法

ウコンの葉は一般的に、入浴時に利用するのがよいとされています。ウコンの葉を使った薬浴です。体が温まり湯冷めもしにくく、疲労回復やリラックスに効きます。

収穫した葉を陰干しにして保存しておきます。手ぬぐいなどの布を半分に折って袋にして、10センチほどの長さに切ったウコンの葉を、その中に半分くらいまで入れて、お湯の中に入れます。色が出たらお湯から出して入浴します。
葉の量によっても違いますが、これで3回くらいは使えます。

粉砕した葉で作られた入浴用の商品もありますので、ウコンが手に入らない人はこういったものを利用するとよいでしょう。

二日酔いの予防と対策にウコン

ウコンは胆汁の分泌を促進する

二日酔いで調子が悪い時、翌朝はたっぷり水分補給し、アルコールを排出しましょう。飲みものは、肝臓の働きを高めるグレープフルーツジュースやしじみ汁がおすすめです。

二日酔いを確実に予防する方法は飲み過ぎないことですが、酒の席ではおつき合いで勧められてしまったり、そのうちに気分が良くなったりと、飲み始めるとそれが難しくなってしまうものです。そこで、二日酔いを予防する、あるいは早く解消するための方法のひとつに、肝機能を助けるサプリメントを摂取する手段があります。
肝臓の機能を助ける成分はいろいろありますが、これらのサプリメントを上手に利用しましょう。

二日酔いに効果的なサプリメントのひとつにウコンがあります。ウコンの注目すべき有効成分は『クルクミン』です。
クルクミンは、胆汁の分泌を促進する働きがあり、肝機能を強化できるので普段から摂取しておきたい成分です。また、肝臓の機能を助けてアルコールの分解を促進するので、二日酔いのときに摂りたい成分でもあります。

胆汁には、悪酔いを引き起こす物質アセトアルデヒドを排出する作用があるといわれています。アセトアルデヒドは、吐き気を起こしたり、呼吸数を増やしたりなど、アルコールよりも強い生体反応を起こす有害物質なのです。
ウコンの主成分である黄色色素のクルクミンは、胆汁の分泌を促して、肝臓全体の解毒作用を高めるといわれています。また、ウコンに含まれている精油成分にも、クルクミンよりは弱いけれど胆汁の分泌を活発にするという物質が含まれています。さらに、精油成分にはコレステロール溶解作用や健胃作用などがあります。

活性酸素を除去するクルクミン

過度の飲酒は体内に活性酸素を発生させるといわれていますが、クルクミンは体内で強い抗酸化力をもつ「テトラヒドロクルクミン」に変換されて、活性酸素を除去する効果もあることがわかっています。活性酸素を除去したあとには「ジヒドロフェルラ酸」という安全な化合物になって代謝されます。

ウコンエキスドリンク『ウコンの力』を発売しているハウス食品が何年か前に発表した研究結果では、ウコンを摂取するとアルコールやアセトアルデヒドの代謝が促進されることが示されています。
アルコールとウコンを摂取した実験では、ウコンを摂取しなかった時と比べ、血液中のアルコールとアセトアルデヒドの濃度、そして活性酸素の濃度が下がった結果が得られています。これらの効果は、ウコンに含まれるクルクミンや精油成分がもつ抗酸化作用や胆汁分泌作用などによるものと考えられています。

肝臓の疲れにはこちらのウコン