活性酸素除去物質にウコンに含まれるクルクミンが効果的

活性酸素はいまでは万病のもとといわれています。動脈硬化やガンなどの原因になるばかりでなく老化の原因ともいわれます。その活性酸素を除去する作用が、ビタミンCやEよりも、ウコンが含んでいるクルクミンのほうが高いといわれます。

どんなに体に自信のある健康な人でも20歳を過ぎれば、老化は始まっています。分子生物学によれば、老化とは細胞の数が減ることによって臓器の活力が衰え、それが原因で起こるといわれ、細胞の数が減っていく理由については「活性酸素説」と「プログラム説」のふたつの説があります。

「活性酸素説」は、体内で発生した活性酸素のために細胞内のDNAやタンパク質が酸化し、細胞の働きが低下してしまうからという理由です。鉄がさびたり、てんぶら油が酸化するのも、この活性酸素による影響で、その酸化力がガンや脳卒中などの引き金になります。
人は生きるためには呼吸をしなければなりませんが、呼吸をすること自体が活性酸素をつくりだしているわけですから、じつは人間は、生きることで日々、細胞を減らし続け、少しずつ少しずつ老化をすすめているのです。
もちろん、人間の体はそうした働きの活性酸素にたいし、ちゃんと抵抗する手段を備えています。スカベンジャー(活性酸素除去物質) と呼ばれている酵素がそれです。しかしこの酵素は、残念ながら40歳を過ぎるころから急速に衰えてしまいます。
ガン年齢といわれるのも40歳からですが、これから必要という人生の成熟期に入ったときに衰え始めてくるのですから皮肉なものです。
ビタミンA 、B2、C 、E や卵黄、かぼちゃに含まれるカロチノイド、緑茶やドクダミに含まれるポリフェノール性物質などがこのスカベンジャーと同じ働きをするので、これらの食品をとれば老化防止になるといわれています。

もうひとつの「プログラム説」とは、すべての細胞には死ぬ時期が決められているという説です。若者と老人の細胞の活力を比較したデータがあります。それぞれの皮膚の繊維芽細胞を培養液に入れて観察してみると、若者のものは60回ほどの分裂を繰り返しますが、老人の場合、30回ほどの分裂を繰り返すとそれで終了してしまいます。
あきらかに、細胞の活力が弱っている証拠です。細胞は、日々新たになっているのですが、ある年齢以1 になると、つくりだされた細胞のもともとの力が弱くなっているのです。だからといって、黙って指をくわえて見ていることはありません。ウコンはもちろんですが、スカベンジャーを多く含む食品類を積極的に摂取することがよいでしょう。

活性酸素除去物質( スカベンジャー) を多く含む食品

  • ビタミンC…有色野菜、柑橘類、イチゴ、甘柿
  • ビタミンB2…うなぎ、焼きのり、牛・鶏のレバー、チーズ
  • ビタミンE…有色野菜、豆類、穀類
  • カロチノイド…卵黄、イクラ、タラコ、有色野菜、海藻、柑橘類
  • フェノール性物質…緑茶、コーヒー、ゴマ、ドクダミ、ゲンノショウコ

解毒作用をアップして肝臓を強化

ウコンには、さまざまな薬効がありますが、肝臓への薬効は、非常に注目しています。神戸大学で生化学を専攻している西塚博士の報告では、「とくに春ウコンはアルコールの代謝によい」と行っています。
東北大学の奥野教授の、日本薬学会の特別講演における発表です。「ウコンのクルクミンが肝炎や肝障害に対して有効」であると発表しています。
また、糸川教授の研究成果もあります。「通常は芳香性健胃薬として用いられていますが、クルクミンは、胆汁分泌作用があり、肝炎などの肝臓障害に有効」と発表しています。

ウコンが肝臓によい理由は次のように説明できます。
ウコンに含まれるクルクミンが胆汁の分泌を促進させるのですが、胆汁の役目は胃から送られてきた内容物と十二指腸で混じり、脂肪を分解吸収すること、これがまず第一です。脂肪分が胃の中に入ってくると、体は、それを消化するために脂肪分を乳化して消化酵素の作用を受けやしやすくし、十二指腸から胆汁を出すのです。高脂肪食ですと、当然、この胆汁が多量に分泌されます。
ところが、多量の胆汁は大腸の内壁にすみついている腸内細菌に悪影響を与えてしまうことが知られています。

大腸で消化されるのは、小腸で吸収されなかった食物繊維がほとんどですが、それを消化するのが腸内細菌の大切な役目です。腸内細菌の数は、およそ100兆個。重量に換算すると1kg~1.4kgもあります。その腸内細菌が、胆汁の主成分である胆汁酸に反応して、胆汁酸を「メチルコラントレン」という発ガン物質に変えてしまうのです。

脂肪分たっぶりの肉はたしかにおいしいでしょう。「肉が熔ける」という表現をする人もいるくらいですから。でもウコンが胆汁の分泌を促してくれるからいいや、なんて考えてはいけません。

次は、解毒作用をどんなふうに助けるのかというと、簡単に肝臓の働きを解説すると、肝臓は体にとって有害な物質、たとえば腹の中で腐敗したものや食品添加物や薬などの毒性を減らしたり分解したりして体の外に排出しようとします。
役に立たないと判断された物質は胆のうに送り込まれたあと、胆汁として放出され、便に混じって体の外に捨てられます。
胆汁は1日におよそ1200mlほど、生成されていますが、その胆汁の分泌を促すのが、クルクミンです。

肝臓の故障(病気)は大きく分けると次の4タイプになります。

  1. ウイルス性肝炎
  2. 薬物性肝臓障害
  3. アルコール性肝臓障害
  4. 肝臓ガン

です。

最近はウイルスや食品添加物、それに薬を簡単に口にしてしまう環境など、肝臓を疲れさせてしまう条件が急増しています。肝臓は別名「沈黙の臓器」といわれるだけにタフなことは、間違いないのですが、それだけに、気づいたときは機能がかなり低下している場合が多いのです。
では、このタフな臓器が肝硬変になるまでをたどってみましょう。ある実験によれば、一日に一升の酒を二日続けて飲ませれば、それだけで簡単に脂肪肝になってしまうそうです。
脂肪肝自体はたいしたことではないのですが、そうなると、小豆色をしている肝臓が黄ま色く勝れ、この状態がそのまま長く続けば、やがて肝線維症かアルコール性肝炎が待っています。肝線維症とは、コラーゲンという固く細い糸のようなタンパク質が溜まっていく病気です。この線維はアルコール代謝でできるアセトアルデヒドの作用でつくられます。
アセトアルデヒドはあの二日酔いの原因物質です。
アルコール性肝炎は大部分が急性ですが、肝細胞の破壊がいちじるしく、肝細胞がどんどん死んでいき、肝線維症と同様に細胞が線維に変わっていきます。

この状態を放置しておくと、やがて肝硬変を引き起こし、肝臓の細胞に結合組織が増えて肝臓自体が硬くなってしまいます。こうなるとなかなか治りにくく治療が困難になります。
肝臓には大動脈からくる肝動脈と、胃腸から吸収した栄養分を運ぶ門脈の2種類の血管がありますが、肝硬変になると、線維化して硬くなるわけですから、肝臓の中の血管が押されたり変形したりして、流れる血液が極端に少なくなってしまいます。
たとえば、肝臓に入れなくなった門脈血は、別ルートで静脈に流れこみ、食道に静脈癖をつくり、何かのきっかけでそれが破裂し、大量の血を吐いたりします。おいしそうなまぐろの赤身を、アルコール度数の強いお酒の中に浸けてみてください。赤身が白っぽく変化するのが分かると思います。
簡単に言えば、肝硬変です。毎年2万人もの人が命を落とす肝硬変はアルコール性肝臓障害の終着駅なのです。
でも、誤解している人がたくさんいるので断っておきますが、酒を飲みすぎたからといって、酒だけが原因で肝臓ガンになることはありません。専門家によれば、これまでアルコールが原因とされてきた肝臓ガンの多くが、じつはC型肝炎ウイルスであることが分かりました。

肝臓ガンの原因はC型肝炎が80% 、B型肝炎15% 、残りの5% がアルコールの飲みすぎや、ピルやホルモン剤や抗生物質などの薬剤などと考えられています。しかし、すでにウイルス性肝炎にかかっている人にはこの話は通じません。
肝硬変発症後、約半分の人が10年の内には発症するというデータがあります。ところで、肝細胞が線維の固まり状態になってしまったのが肝硬変ですが、いったん線推化してしまうと、もう元には戻りません。形態が変化し、つまり細胞が変性して肝臓内に分布している血液の循環系統にひずみが起こります。
では、どんな症状があったとき肝機能は低下しているのでしょうか。
次ぎのような症状です。

  • 黄痘(肌や白目が黄色くなる)
  • 血管がクモのような形で浮き上がる。
  • 女性様乳房(男性の乳房がふくらんでくる)
  • 肝萎縮(肝臓が小さくなる)
  • 腹部静脈癖(お腹の血管がもりあがってくる)
  • 出血斑(赤い斑点ができる)
  • 痔になりやすくなる。
  • スネ毛がなくなる。
  • 浮腫(ふくらはぎがむくんでくる)

黄痘の黄色い色は、はビリルビンです。便が黄色いのはビリルビンが含まれているからです。もともとは胆汁の中に含まれていて、腸管へ分泌されたあと、大部分は便と一緒に排出されます。黄痘が進んだ人の便は白くなります。

現代人の肝臓は、昔の人より大きくなっていますが、添加物、脂肪、アルコール、ストレスなどの肝臓の負担がそのころよりも増えているからといわれています。
脳も胃も、筋肉も神経も、体はどれも密接なつながりを持っています。どの部分の働きが機能しなくても、ほかに影響を与えます。ランクをつけるわけではありませんが、現在の環境からいえば肝臓が最も働きすぎといえるでしょう。

二日酔いの解消法

お酒の席で二日酔いにならないようにと思っていても、飲み始めてしまえばなかなか難しいものです。そこで、なってしまった場合の解消法を紹介します。
二日酔いの解消に最も効くのは二日酔い用の胃腸薬を服用することですが、ここでは、食べ物や飲み物について触れたいと思います。

酔いが醒めてきて汗を流したい時には、熱めのお湯でシャワーをサッと浴びましょう。熱いシャワーを浴びると血液の循環が良くなって、体の中でアルコールなどの分解が活発になります。
頭も少しはスッキリしてくるでしょう。サウナや熱いお風呂に入ると体の水分を余計に奪われてしまい、心臓に負担がかかるので避けましょう。

二日酔いの解消に効果的な食べ物

何かお腹に入れるなら、まずは水分を補給しましょう。水でも構いませんが、ミネラルやビタミンを一緒に摂取できるので、スポーツドリンクや果汁のジュースなどがよいです。

食べ物では、昔から酔い覚ましには柿がよいといわれていますが、これは、柿に含まれているカタラーゼという酵素に、アルコールの酸化を活発にさせアセトアルデヒドの分解を進める効果があるためです。それに、柿に多く含まれる果糖によって低血糖状態の糖分の補給にもなります。しかし柿だと季節のものになってしまうので、いつでも食べられるわけではありません。
季節を問わずいつも食べられるものでは、ようかんなどの和菓子、お茶(含有するタンニンの効果)、そのほか、チョコレートなども効果があるようです。

また、トウガラシ料理を食べると辛味成分が口や胃などの消化器の粘膜を刺激して、だ液や胃液の分泌が増え食欲がわいてくるので、二日酔いや夏バテの食欲不振の時には、辛いトウガラシも効果的です。
大根をおろしたときのおろし汁も効果的。弱った肝臓や胃腸の働きを整えてくれます。

そして、昔から日本人に親しまれてきた、栄養価の高いシジミ。「二日酔いにはシジミ汁」と、今も言われています。シジミは必須アミノ酸がバランスよく含まれているのが特徴で、肝臓に効くタウリンが含まれています。シジミの旬は夏と冬の2回あるそうですが、夏の暑さでついビールを飲み過ぎてしまう人には、夏が旬の土用シジミがおすすめです。

頭痛の場合にはコーヒーが効きます。これは、中枢神経を刺激して興奮させるカフェインの働きによるものです。

吐き気がある場合には、ひね生姜を薄くスライスしたものを口に入れるとよいようです。ひね生姜とは、夏に出回る新生姜以外の、前年に収穫され貯蔵された生姜。普段から店頭に並んでいるものです。

 

迎え酒はダメ!

二日酔いの朝に迎え酒をするとスッキリするといいますが、これって本当によいことなのでしょうか?
アルコールを摂取することで一時的に血糖値が上がり、二日酔いの症状は抑えられます。また、前日に飲んだアルコールが中枢神経を麻痺させているために、さらに飲んだとしても気分も悪くなりにくいようです。
しかし、これは一時的な気休めでしかありません。迎え酒の分のアルコールも分解しなくてはならない肝臓のことを考えましょう。結局、二日酔いの症状を長引かせてしまうので、迎え酒をするのはやめましょう。