Question
ウコンのガン予防効果をあちこちで目にしたり、耳にしたりしますが、実際ガンへの効果、作用はどうなのでしょうか?
Answer
ガンについては、さまざまな医学的見解、民間療法的見解がありますが、基本的にガンが誘発される原因として、一説に「発ガン二段階説」という説があります。
ガンのできる過程では、第一段階でガン化のきっかけになる「発ガン・イニシエーター」(発ガン開始要素) があり、第二段階ではガン化を促す「発ガン・プロモーター」(発ガン促進要素) が作用すると考えられています。
発ガン・イニシエーターとは、細胞がガン化に向かうような遺伝子の変成を起こさせるものです。そして、発ガン・プロモーターとは、発ガンの開始を受けた細胞をガンにまで発展させていくものです。
タバコは発ガン・プロモーターとなる物質を多く含みますが、先天的に肺ガンになりやすい体質であっても、タバコを吸わなけ
れば、発ガン・プロモーターの後押しがないためにガンにはなりにくいのです。
また、先天的にガン化の変性を受けていない細胞に対しては、多量の発ガン・プロモーターが加わったとしても、なかなかガンにはなりません。お尻からも煙が出るんではないかというほどたくさんのタバコを吸うヘビースモーカーであっても、肺ガンにならない体質の人はいくらでもいます。
全ての人がガンになんかなりたくありませんが、先天的にガン化のイニシエートを受けた細胞を生まれ持っている人は、遺伝子治療をするなどして、変性された細胞を処置すべしないかぎり、発ガン・イニシエーターを防止する術はありません。しかし、実際問題として、遺伝子治療には難しい問題がたくさん残されていて、現段階では医学界といえども安易に手をつけることができません。
したがって、ガンを予防したいのであれば、現時点では研究が発ガン・プロモーター抑制に頼ってガン化を食い止める方向に進まざるを得ないのです。
生薬の中には発ガン・プロモーター抑制を持っている植物がいくつか認められています。そのうち、最も有効な薬理作用を有していると見られている生薬がアシタバですが、またイヌトウキにも強い発ガン・プロモーター抑制が含まれていることがわかっています。
アシタバのガン抑制効果はこちらに詳しい作用が紹介されています。
そしてまた、ウコンにも発ガン・プロモーター抑制があることが証明されています。したがって、発ガン・プロモーター抑制効果を発揮すると考えられているウコンを常用すれば、ガンになりにくい体質になることは間違いありません。
しかし、ガンにかかった後からいくらウコンを飲んでも延命効果しかなく、ガンが治ることもありえません。
ウコンはガンの治療だけに使うものではなく、むしろ発ガン・プロモーター抑制として予防に用いられる生薬です。
ガンを抑制するためにウコンを使うのがもっとも効果的です。